練習スタジオのドアを開けた瞬間、瞳は胸の奥がきゅっと縮むのを感じた。
壁一面が鏡張りの広い空間。すでに三人の男子が集まっていて、ストレッチをしたり、談笑したりしている。
「お、新入りか」
最初に声をかけてきたのは、短髪の青年だった。すっとした立ち姿、落ち着いた目。
「一ノ瀬蒼。高三だ。今日から同じチーム。よろしく」
「……藍原ヒトミ。よろしく」
視線を逸らさない蒼に、少し緊張が走る。
「俺は鳴瀬陽大! 一年! 歌は負けねーから!」
明るい声が弾んだ。茶色がかった髪に快活な笑み。人懐っこさが全身からにじみ出ている。
「佐倉悠生。大学一年。ラップや詞を書いてる。……まあ、よろしく」
淡々としながら、ちょと斜に構えた調子。眼鏡の奥の目が冷静な光を宿している。
――タイプ、ばらばらだな。
瞳は心の中でつぶやき、少しだけ肩の力を抜いた。
「よし、自己紹介はここまで。練習始めるぞ」
蒼の号令で、音楽が流れる。インストラクターが基礎のステップを示すと、全員が鏡の前に並んだ。
陽大は元気よく大きく動き、悠生は正確で無駄がない。蒼は静かに体を刻み、全体を見ている。
瞳は――ついていくのに必死だった。
けれど、スケボーで培ったバランス感覚とリズムの耳が、足を勝手に動かしてくれる。ターンで音に乗ったとき、鏡の中で陽大が目を丸くした。
「お、ヒトミ、意外とやるじゃん!」
「……悪くないな」蒼が短く言う。
汗をぬぐいながら、瞳は胸の奥が少し熱くなるのを感じた。
――ここでなら、やっていけるかもしれない。
壁一面が鏡張りの広い空間。すでに三人の男子が集まっていて、ストレッチをしたり、談笑したりしている。
「お、新入りか」
最初に声をかけてきたのは、短髪の青年だった。すっとした立ち姿、落ち着いた目。
「一ノ瀬蒼。高三だ。今日から同じチーム。よろしく」
「……藍原ヒトミ。よろしく」
視線を逸らさない蒼に、少し緊張が走る。
「俺は鳴瀬陽大! 一年! 歌は負けねーから!」
明るい声が弾んだ。茶色がかった髪に快活な笑み。人懐っこさが全身からにじみ出ている。
「佐倉悠生。大学一年。ラップや詞を書いてる。……まあ、よろしく」
淡々としながら、ちょと斜に構えた調子。眼鏡の奥の目が冷静な光を宿している。
――タイプ、ばらばらだな。
瞳は心の中でつぶやき、少しだけ肩の力を抜いた。
「よし、自己紹介はここまで。練習始めるぞ」
蒼の号令で、音楽が流れる。インストラクターが基礎のステップを示すと、全員が鏡の前に並んだ。
陽大は元気よく大きく動き、悠生は正確で無駄がない。蒼は静かに体を刻み、全体を見ている。
瞳は――ついていくのに必死だった。
けれど、スケボーで培ったバランス感覚とリズムの耳が、足を勝手に動かしてくれる。ターンで音に乗ったとき、鏡の中で陽大が目を丸くした。
「お、ヒトミ、意外とやるじゃん!」
「……悪くないな」蒼が短く言う。
汗をぬぐいながら、瞳は胸の奥が少し熱くなるのを感じた。
――ここでなら、やっていけるかもしれない。



