Echoline Entertainment主催の若手アイドルグループ合同ライブのステージ。
アリーナを埋め尽くす歓声が、波のように押し寄せていた。
ライトが交差し、無数のペンライトが揺れる。
舞台袖で深呼吸を繰り返す瞳――いや、“レイ”。
――ここまで来た。
――もう迷わない。
「Bluebell Boys、行くぞ」
蒼の低い声が響く。ヒナタが拳を掲げ、ユウキが小さく頷いた。
イントロが鳴り、ステージへ駆け出す。
観客の歓声が爆発した。
「皆さん、楽しむ準備できてますか!」
ヒナタの明るい声に、客席のペンライトが一斉に揺れる。
歌が始まる。アオトの安定した声が響き、ユウキのラップが切り込む。
レイはマイクを握り、視線を前へ向けた。
――女の子みたい、だって?
いいよ。そう思うなら思えばいい。
でも、今の私を聴いて。
声を放つ。
胸の奥からあふれ出す熱を、音に乗せて解き放つ。
客席がざわめき、次の瞬間、大きな歓声に変わった。
体が自然に動く。ステップを踏み、汗を飛ばし、笑顔がこぼれる。
不安も噂も、ステージの光に溶けて消えていく。
――私はここにいる。レイとして。アイドルとして。
最後のサビ。蒼と目が合う。
彼は言葉もなく頷いた。
――大丈夫だ。
その視線が伝えていた。
曲が終わり、ステージが暗転する。
一瞬の静寂。
そして、割れるような拍手と歓声。
スポットが再び灯り、観客席の一角に目が行った。
そこに、母がいた。
涙で顔を濡らしながら、まっすぐにこちらを見ている。
胸が熱くなった。
――届いた。
そう思った瞬間、瞳は無意識に笑っていた。
◇◇
ライブが終わり、熱気の残る楽屋に戻る。
まだ心臓は速く打っているのに、胸の奥は不思議と静かだった。
「お疲れ」
背後から低い声がした。蒼がタオルを肩にかけ、汗を拭きながら立っていた。
「……うん」
短く返す。声が少し震えているのを自分でも感じた。
蒼は瞳をまっすぐに見た。
「ちゃんと届いてた」
言葉はそれだけだった。
でも、それ以上のものが伝わってきた。
瞳は小さく笑う。
「……ありがと」
照明の落ちた廊下を並んで歩き出す。
ステージの歓声がまだ耳に残っていた。
――これからも進んでいける。そう思えた。
アリーナを埋め尽くす歓声が、波のように押し寄せていた。
ライトが交差し、無数のペンライトが揺れる。
舞台袖で深呼吸を繰り返す瞳――いや、“レイ”。
――ここまで来た。
――もう迷わない。
「Bluebell Boys、行くぞ」
蒼の低い声が響く。ヒナタが拳を掲げ、ユウキが小さく頷いた。
イントロが鳴り、ステージへ駆け出す。
観客の歓声が爆発した。
「皆さん、楽しむ準備できてますか!」
ヒナタの明るい声に、客席のペンライトが一斉に揺れる。
歌が始まる。アオトの安定した声が響き、ユウキのラップが切り込む。
レイはマイクを握り、視線を前へ向けた。
――女の子みたい、だって?
いいよ。そう思うなら思えばいい。
でも、今の私を聴いて。
声を放つ。
胸の奥からあふれ出す熱を、音に乗せて解き放つ。
客席がざわめき、次の瞬間、大きな歓声に変わった。
体が自然に動く。ステップを踏み、汗を飛ばし、笑顔がこぼれる。
不安も噂も、ステージの光に溶けて消えていく。
――私はここにいる。レイとして。アイドルとして。
最後のサビ。蒼と目が合う。
彼は言葉もなく頷いた。
――大丈夫だ。
その視線が伝えていた。
曲が終わり、ステージが暗転する。
一瞬の静寂。
そして、割れるような拍手と歓声。
スポットが再び灯り、観客席の一角に目が行った。
そこに、母がいた。
涙で顔を濡らしながら、まっすぐにこちらを見ている。
胸が熱くなった。
――届いた。
そう思った瞬間、瞳は無意識に笑っていた。
◇◇
ライブが終わり、熱気の残る楽屋に戻る。
まだ心臓は速く打っているのに、胸の奥は不思議と静かだった。
「お疲れ」
背後から低い声がした。蒼がタオルを肩にかけ、汗を拭きながら立っていた。
「……うん」
短く返す。声が少し震えているのを自分でも感じた。
蒼は瞳をまっすぐに見た。
「ちゃんと届いてた」
言葉はそれだけだった。
でも、それ以上のものが伝わってきた。
瞳は小さく笑う。
「……ありがと」
照明の落ちた廊下を並んで歩き出す。
ステージの歓声がまだ耳に残っていた。
――これからも進んでいける。そう思えた。



