「とにかく困ってるんです! またなにか起こるんじゃないかって、怖いし」
すがりつくような視線を向けると、七木田先輩がソファの背もたれに自分の背を預けて目を閉じました。

なにか思案しているようにそのまま沈黙する時間が流れます。
早く話を進めたい私ですが、どうにかはやる気持ちを押さえつけてその沈黙を待ちました。
本棚で窓を潰してしまった部室内は息苦しくて、ブラウスの第一ボタンを外した、その時でした。

決意を決めたように七木田先輩がパチッと目を開きました。
「わかった。あなたには特別に教えてあげる」
七木田先輩はそう言うとソファから立ち上がり、部室の奥へと歩いていきました。