早口に説明すると先生はようやく納得した様子でひとつ頷きました。

「確かに、保健室登校してくる生徒さんは年に何人かいるわね。少しの間登校してこなくなる子もいる。だけどたいていが数か月で戻ってきていると思うんだけれど」

先生は考え込むように顎に手を当てて小首を傾げました。
私は『数か月で戻ってきている』という言葉に期待を抱きました。
「沙紀も、戻ってきますか?」

「絶対とは言えないけれど、問題が解決すればきっと戻ってくるわよ。あなたみたいな友達もいるんだし」
そう言われると嬉しくて胸の辺りが暖かくなりました。

保健の先生からは重要な情報を引き出すことはできませんでしたが、私は沙紀が登校してくるのをちゃんと待っていればいいのだということはわかりました。
もちろん。
そのつもりでいます。