そんな風に自嘲してもいました。
どうしてこんな肝心なことを今の今まで忘れていたんでしょうか。

沙紀が登校拒否になってしまったという事実ばかりを見て、私自身がかなり焦っていたのかもしれません。

私は大慌てで隣のB組へと向かいました。
昼休憩の時刻、B組の教室内にもお弁当の匂いが立ち込めています。
入り口から中の様子を確認してみると、1年生のころ同じクラスだった友達が近づいてきました。

「麻美じゃん、どうしたの?」
突然の訪問に珍しそうに瞬きをして聞いてきます。
「飯島さんっている?」

「飯島さん? いるよ」
友達が呼んでくれたのは背が高くてモデルのように整った顔立ちをした女子生徒でした。