それなら、この拘束を解いて病院へ連れて行き、まともな人間に戻せばいいはずです。
でも、そうじゃありませんでした。
「上野原ユキはもう人間じゃない。怪異の発信源なんだよ」
松本先輩の声が揺れています。
「それに、俺は上野原ユキを解放する気はない。俺たちが今説明したよりももっともっとヒドイことをしてきてるんだ。絶対に解放はしない」
よく耳を済ませてみれば、上野原ユキの口からはうめき声が漏れて聞こえてきました。
うめき声に混ざって『許して』『助けて』という声も。
それを聞いた瞬間凍り付いてしまいました。
上野原ユキは死ぬこともできず、自我を失うこともできないまま吊るされているんです。
でも、そうじゃありませんでした。
「上野原ユキはもう人間じゃない。怪異の発信源なんだよ」
松本先輩の声が揺れています。
「それに、俺は上野原ユキを解放する気はない。俺たちが今説明したよりももっともっとヒドイことをしてきてるんだ。絶対に解放はしない」
よく耳を済ませてみれば、上野原ユキの口からはうめき声が漏れて聞こえてきました。
うめき声に混ざって『許して』『助けて』という声も。
それを聞いた瞬間凍り付いてしまいました。
上野原ユキは死ぬこともできず、自我を失うこともできないまま吊るされているんです。



