カワイイ偽物彼女

 私と高嶺先輩は、学校の校門まで一緒に行った。

 私のつまらない話を、優しく聞いてくれた先輩には感謝しかない。

「ここでお別れですね。先輩、頑張ってください!」

「桜木ちゃんも、頑張ってね。」

 私が降った手を返してくれて、教室へ向かっていると、後ろから足音が聞こえた。

「ちょっと待って、桜木ちゃん」

 後ろに手を引かれて、次の瞬間、私は先輩の腕の中にいた。

「先輩ッ、えっとこれは・・・」

 私の言葉を遮るように、先輩はつぶやいた。

「いつか、俺の名前を呼んで。」

「お前に、呼んでほしい。」

 そう言って先輩は手を放して、自分の教室に向かった。

 私はしばらく放心状態で、立ち尽くしていた。