クールな王子様からの溺愛なんて、聞いてません!!



と日向ちゃんは何かを思い出したかのように足を止めて私を振り返った。


「そういえば、最近琢磨が気持ち悪いくらいに優しいっていうか…今までと全然態度が違うんだよね。華子、なんか心当たりない?」


「えっ」


早瀬くんの話題を出されて、私は今朝のやりとりを思い出す。


そういえば今朝、動揺しすぎて早瀬くんに何も言わずにその場を走り去ってしまった。


早瀬くんには本当に申し訳ないことに、今の今まですっかり忘れていた。


今度あったらちゃんと謝っておかないと…


それはそうと、今朝早瀬くんが私に言ったことは、私の口からは言わないほうがいい。


だから、「ごめんね、何も聞いてない」ととぼけることにした。