「華子」 名前を呼ぶと、両手で顔を覆ったままの華子は、蚊の鳴くような声で「はい…」と返事をする。 耳先までが、真っ赤になっていた。 「これから先、お前との関係を変えたい。今日は別に返事とかいらない。けど」 言いかけた言葉に、華子が顔を上げた。 「もう遠慮しない。…俺のこと絶対好きにさせるから、覚悟しとけよ」 華子の手を取って、指先にキスを落とす。 そして、俺は揺らぐ華子の瞳を、正面からまっすぐに見つめた。 絶対に、逃してやらないから… そう、心の中で思いながら。