絵梨花が最後に書いたと思われる12月24日の記事には、家族への想いが綴られていた。
お父さんへ
お母さんが亡くなって、一人で私を育てようとしたよね?
そんなこと、できるわけがないのにね。
だって、お父さん、洗濯機は泡だらけにするし、生活力がなさすぎだよ。
料理もできないし、食べられるものが目玉焼きしかないもの。
だからね、今のお母さんと再婚するって決めた時も、反対はしなかった。
私はお父さんの作る、目玉にならない焦げた目玉焼き、好きだったよ。
お父さんのこと、嫌いになったわけではないよ。
紫苑のお母さんと再婚しなければ、こんな気持ちにならないで済んだのにって、八つ当たりしちゃった。
わがままな娘で、ごめんなさい。
これからは、親孝行するから許してね。
お母さんへ
いつも父がお世話になっています。そして、私も。
私が反抗的な態度を取っても、いつも笑って優しいお母さん、ありがとう。
気を遣ってくれてるの、ちゃんとわかってます。
ただ、紫苑のお母さんでなければよかったのにと、思わずにはいられませんでした。
父と再婚しなければ、紫苑とはただの同級生でいられたのにと。
「おばさん」と呼んでしまって、ごめんなさい。
父にはあなたが必要です。これからもよろしくお願いします。
許してもらえるなら、また「お母さん」と呼びたいです。
紫苑くんへ
君と初めて会ったのは、小学生の頃だったね。
実を言うと、初めて会った時から、君のことが好きだったんだと思う。
義理とはいえ、兄妹になれることが嬉しかった。
毎日、楽しかった。
でも、君のことを好きになるにつれ、妹であることが苦しくなりました。
君に女の子として好きになってもらえないのが、わかっているから。
君が他の子と付き合う度に、悲しかったし、苦しかった。
嫌な態度を取ってしまって、ごめんなさい。
これからは、妹として仲良くしてください。
あの頃みたいに、楽しく毎日が過ごせたらいいな。
絵梨花は、自分のせいで家族がバラバラになったことを悔いていた。
恋を叶えることよりも、元の家族に戻ることを選んだのだ。
私という人格が生まれた意味は、絵梨花が戻って来た時に、幸せに暮らせるように準備しておくーー
ということなのだろうか。
それを叶えて本物の絵梨花が戻ってきたら、私は消えてしまうのかな。
私もここに残れる方法は、ないのかな。
お父さんへ
お母さんが亡くなって、一人で私を育てようとしたよね?
そんなこと、できるわけがないのにね。
だって、お父さん、洗濯機は泡だらけにするし、生活力がなさすぎだよ。
料理もできないし、食べられるものが目玉焼きしかないもの。
だからね、今のお母さんと再婚するって決めた時も、反対はしなかった。
私はお父さんの作る、目玉にならない焦げた目玉焼き、好きだったよ。
お父さんのこと、嫌いになったわけではないよ。
紫苑のお母さんと再婚しなければ、こんな気持ちにならないで済んだのにって、八つ当たりしちゃった。
わがままな娘で、ごめんなさい。
これからは、親孝行するから許してね。
お母さんへ
いつも父がお世話になっています。そして、私も。
私が反抗的な態度を取っても、いつも笑って優しいお母さん、ありがとう。
気を遣ってくれてるの、ちゃんとわかってます。
ただ、紫苑のお母さんでなければよかったのにと、思わずにはいられませんでした。
父と再婚しなければ、紫苑とはただの同級生でいられたのにと。
「おばさん」と呼んでしまって、ごめんなさい。
父にはあなたが必要です。これからもよろしくお願いします。
許してもらえるなら、また「お母さん」と呼びたいです。
紫苑くんへ
君と初めて会ったのは、小学生の頃だったね。
実を言うと、初めて会った時から、君のことが好きだったんだと思う。
義理とはいえ、兄妹になれることが嬉しかった。
毎日、楽しかった。
でも、君のことを好きになるにつれ、妹であることが苦しくなりました。
君に女の子として好きになってもらえないのが、わかっているから。
君が他の子と付き合う度に、悲しかったし、苦しかった。
嫌な態度を取ってしまって、ごめんなさい。
これからは、妹として仲良くしてください。
あの頃みたいに、楽しく毎日が過ごせたらいいな。
絵梨花は、自分のせいで家族がバラバラになったことを悔いていた。
恋を叶えることよりも、元の家族に戻ることを選んだのだ。
私という人格が生まれた意味は、絵梨花が戻って来た時に、幸せに暮らせるように準備しておくーー
ということなのだろうか。
それを叶えて本物の絵梨花が戻ってきたら、私は消えてしまうのかな。
私もここに残れる方法は、ないのかな。
