「お母様、私達もお爺様のお家に行きましょ
うよ。荷物は用意して馬車に積んでもらった
わ」
「まあ、シャウリーヌさすが私の娘、気が利
くわね。じゃあ行きましょうか」
「待ってくれよ。直ぐ帰ってくるよね。リー
ヌ、僕を一人にしないよね。リーヌがいない
と死んじゃうよ」
二人はそんな公爵の泣き言なんか無視して楽
しそうに馬車に乗って行ってしまった。
その頃ユミアは、隣国行の船に乗ろうとして
いた。
河をくだる船から乗り換えて大きな船で海を
渡る事になるのだが、もう夕暮れで水平線に
夕日が沈むのを見ようと多くの人が西側の甲
板に押し寄せていた。
ユミアは混雑を避けて反対側の甲板に出て祖
国エクスポリアの海岸線を見つめていた。
22歳まで自分なりに一生懸命生きてきた。
大好きな孤児院の院長先生や妹のようなサリ
ーヌに沢山の可愛い子供達、カフェのオーナ
ーにもお世話になった。彼には帳簿ができる
特別優秀な男の子を紹介してきた。
彼がいれば年に一回の税金の申告も税官士
に頼まなくても出来るはずだ。
彼なら後2年もすれ税官士の資格を取るだろ
う。
そんな優秀な子供が沢山いる。工房にもまだ
成人に満たない子の中にもキラッと光る物を
持つ子供が…
そしてユミアの人生で一番輝いていた人一番
大切な最愛の人アウスレッド・ダミアサール
公爵家の嫡男で宰相の筆頭補佐官。でももう
2度と会えない人、あってはいけない人
うよ。荷物は用意して馬車に積んでもらった
わ」
「まあ、シャウリーヌさすが私の娘、気が利
くわね。じゃあ行きましょうか」
「待ってくれよ。直ぐ帰ってくるよね。リー
ヌ、僕を一人にしないよね。リーヌがいない
と死んじゃうよ」
二人はそんな公爵の泣き言なんか無視して楽
しそうに馬車に乗って行ってしまった。
その頃ユミアは、隣国行の船に乗ろうとして
いた。
河をくだる船から乗り換えて大きな船で海を
渡る事になるのだが、もう夕暮れで水平線に
夕日が沈むのを見ようと多くの人が西側の甲
板に押し寄せていた。
ユミアは混雑を避けて反対側の甲板に出て祖
国エクスポリアの海岸線を見つめていた。
22歳まで自分なりに一生懸命生きてきた。
大好きな孤児院の院長先生や妹のようなサリ
ーヌに沢山の可愛い子供達、カフェのオーナ
ーにもお世話になった。彼には帳簿ができる
特別優秀な男の子を紹介してきた。
彼がいれば年に一回の税金の申告も税官士
に頼まなくても出来るはずだ。
彼なら後2年もすれ税官士の資格を取るだろ
う。
そんな優秀な子供が沢山いる。工房にもまだ
成人に満たない子の中にもキラッと光る物を
持つ子供が…
そしてユミアの人生で一番輝いていた人一番
大切な最愛の人アウスレッド・ダミアサール
公爵家の嫡男で宰相の筆頭補佐官。でももう
2度と会えない人、あってはいけない人



