僕の愛しい泥棒娘

国王が先に動き出して、アウスレッドの身動
きが取れなくなる前にすべてを決めてしまわ
なければならないのだ。

国王は第2王女とアウスレッドの結婚を企ん
でいる節がある。

王家にアウスレッドを取り込んでしまえば、
次代の王の後見も補佐も安泰だからだ。

今日は、ユミアがダミアサール公爵家に料理
を作りに来てくれるので、その後にアウスレ
ッドは自室にユミアを連れて行って、結婚を
申し込むつもりなのだ。

今日も家族は皆ユミアの料理を楽しんでいた
母親と妹はユミアのスイーツ迄食べきって、
ご機嫌だ。

いつもユミアは新作のスイーツを作って持っ
てくるのだ。それを母親と妹に試食させてい
る。

いつも二人は大絶賛なのであまり試食の意味
はないのではと思っている。美味しいとしか
言わないからだ。

今日はマカロンと言うのを持って来てくれた
小さな丸いお菓子で色が5色ほどあった。

外側の色はイチゴやチョコレート、抹茶とい
うお茶を粉末にしたものを入れて色を付けて
いるらしい。

中に入ったクリームも、その味付けになって
いる。

ビスタッチオと言うナッツの物があり僕も父
親もそれと抹茶が気に入った。

それぞれ中のクリームも甘さを調整できるら
しく、味付けも素晴らしかった。

”これは絶対売れるわ。お店に出してほしい“
と母親も妹もユミアにお願いしていた。

ユミアはマカロンだけ売る専門店を考えてい
るらしく。入れるものによって色は何色も作
れるらしい。

女3人でマカロンショップの名前まで考え出
して盛り上がっていた。