僕の愛しい泥棒娘

国家転覆,反逆罪はそれほど重い罪なのだ。

それに加え王妃の殺害を何度も企て影武者を
一人殺しているのだ。

女たちが助かったのは国王陛下の情けでもあ
った。

そしてすべての決着がついた2日後、王妃は
王城で跡取りとなる王子を無事に出産した

国王陛下も王妃もすべての重鎮たちや城に勤
める者たちは今度は感動に泣いたのだった。

重い空気を吹き飛ばしてくれた第一王子は、
ユスミリアセロリアンヌという長い名前が、
候補に挙がっているらしい。

”大きな幸せを運ぶ者”という意味だそうだ。

それをユミアの家に夕食を食べに来ていた
アウスレッドから聞いた時、ユミアは思わ
ず“うわっ”と言ってしまった。

アウスレッドも“だよなあ”と言って頭を
抱えていた。

国王陛下にどう思うと相談されたらしい。

ユミアにどう思うと聞いた。

この頃はユミアは敬語は使わずにレッドと
呼び捨てにしている。

「長いし、なんか責任重大って名前。
第一王子だし、本人にもプレッシャー
じゃない?」

「母上も同じこと言ってたよ。その長いのを
を上手く選んで名前にして、由来はこういう
事っていうのがいいんじゃないかって」

「さすが奥様。絶対そのほうが良いと思う」
ユスセロンヌなんていいんじゃない?」

と二人で笑い合っていたら、本当にユスセロ
ンヌ王子と名付けられたので、ユミアとアウ
スレッドはびっくりしてしまったのだった。