僕の愛しい泥棒娘

食事の後、公爵家に着いた時も家族は全員
ぽか~んとして、ユミアだと言うとみんな
爆笑していた。

「すご~い。ユミアさん女スパイみたい。
かっこいい。ほんとに誰だかわからなかった
ねえ、母上」

とシャウリーヌが言うと母親も

「う~ん、見事ね。アウスレッド人選は
確かね」

そしてリビングで父親と母親、アウスレッド
とユミアの4人で話合いが持たれた。

まず、王妃様が2度も被害にあった事、実は
1週間前にも王宮の中庭を散策中の王妃に弓
矢が射かけられたのだ。

それは近衛騎士が身を挺して王妃を守ったの
で王妃は無事だったが矢を腕に受けた騎士は
重篤な状態に陥った。

矢には毒が塗られていて解毒剤はすぐに投与
されたが3日間高熱を出して熱は何とか下が
ったもののまだ意識が回復していない。

もしこれが王妃にあたっていたなら、お腹の
子供は危なかっただろうと医師は言ったそう
だ。

王妃は自分を守った騎士の事で気に病んで食
欲も失くしてしまい、身重の体で周りの皆
が心配したのだ。

だんだんと攻撃が苛烈になってきている
ので早急に避難して頂く事になって、
準備が進められている。

今日はユミアに裏の空家に王妃様を匿っても
らえないかと言うお願いをする為に来てもら
ったのだ。