僕の愛しい泥棒娘

「わかった、それは必ず何とかしよう。家の
息のかかった貴族か親戚筋の男爵か子爵家
なら丁度良いだろう」

「本当ですか。ありがとうございます。
それでは今晩忍び込んでテイアラと誓約書を
取ってきます」

「こんな危険な事を頼んで申し訳ない。後テ
イアラは偽物を作ってあるんだ。だから、
本物と入れ替えてきて欲しいんだ。そうした
らワイナリー家でも気付かないかも知れない
。誓約書は本当は欲しいしそこに書いてある
名前も知りたいのだが、それが無くなったと
なると問題が大きくなる気がする。それを写
し取ってこれないだろうか」

「わかりました。10名ほどだったのでそん
なに時間はかからないので大丈夫です。
ただ写し取るとなると灯りが必要なので、
巡回の警護の騎士に気付かれる恐れがあり
ますね」

「では、夜中の12時20分過ぎに裏門のあ
たりで騒ぎを起こすようにするので、それで
警護の騎士の注意を引くと言うのはどうだろ
う」

「そうですね。10分でいいのであまり長引
いたり顔を覚えられたり、王都の騎士に連絡
が行ったりしない程度の騒ぎを起こしてくだ
さい」

「わかった。必ずそうしよう」

「そしてアウスレッド様はうちの店の裏の
空き家で待っていてくれますか?
鍵は開けておきます」

「何かほかに手伝うようなことはないだろう
か?取り替える偽のテイアラは今から我が家
によってすぐに取ってくるので、馬車の中で
待っていてもらえるか?」