僕の愛しい泥棒娘

半日の間にアウスレッドが調べられたのはこ
のくらいだ。

「でもどうして、そんな事が分かるんだ?
そうか帳簿を読めるんだな。王宮の経理部に
欲しい人材だなあ」

「帳簿を見ればわかります。数字は嘘をつき
ませんから…表の帳簿にも不自然な事は表れ
ていますからその場合は必ず裏の帳簿が存在
します。ワイナリー公爵家は裏帳簿が隠し金
庫にありましたしその他、不可解な契約書も
ありました。あっ、そういえば紫色の四角い
箱もありました。中は見ていないのですが、
テイアラを入れてあるならそんな大きさです
深さはコップの半分くらいだったような…」

「それだ、箱の上に金色で王家の紋章が
書いてあるはずだ」

「ごめんなさい、そこまでは見ていませんで
した。あと気になったのが誓約書と書いてあ
る巻物があってちらっと見たら10名ほどの
名前と横に血判が押してありました。崩して
書いてあったので名前はよくわかりませんで
した」

「できたら、その誓約書も持ってこられるだ
ろうか?」

「それは可能です。でも今夜しかないですよ
チャンスは一度です。何かの都合で一日早く
帰ってこない事を祈るばかりです」

「君は本当にそんな危険な事をやってくれる
のか?私はそのお礼にいくら払えばいいんだ
。可能な限りユミアの要求には応じるよ」