僕の愛しい泥棒娘

「ユミア、もう二度と忍び込みはしないって
約束しただろう。君に何かあったら僕や子供
達はどうしたらいいんだ。もう自分の事だけ
考えていればいい状況じゃないのは、わかっ
てる?」

「わかってるわよ。でも、あなただって旧ワ
イナリー家への侵入を最後にって頼んだじゃ
ないの」

「それとこれとは話が違うだろう。帰ったら
こんな夜中なのに、君がいないと知った僕の
気持ち考えてよ。今度は皆を捨てて一人でど
こかに逃げたのかと思って肝が冷えたん
だぞ」

「だからごめんなさい。それで聞くの
聞かないの」

「う~~ん、ユミアの夫としては聞きたく
ないけど、補佐官としては聞かないと
いけないだろうな」

「もう、そんな面倒なこと言ってるんだった
ら何も話さない。お休み」

そう言って立ち上がると、アウスレッドは
待ってと言って、ユミアを強く抱きしめた。

「とにかくユミアが居なくて酷く心配
したんだ。少しユミアを補給させて」

そう言うとユミアの首筋に唇を当てて、深く
息を吸い込んで、”ユミアの匂いだ。

癒される“と言って顔中に口付けて唇に口付
けようとして自制したらしい。

「ダメだこれ以上すると止められない」

そう言ってユミアの隣に座り直すと話を聞く
体勢になった。