僕の愛しい泥棒娘

ユミアはそのまま”シャウルー“に行って
服を着替えて変装を解いた。サリーヌは

「もう、ユミア、あまりに遅かったから
心配したわよ。上手くいったのよね。
もう夜会も終わる時間だから早く帰らないと
いい訳が出来ないわよ」

「そうね。急いで帰るわ。もうね私今日の事
はびっくりしてサリーヌには今度ゆっくり
話すわね」

そう言って急いで帰ってきたものの、玄関
ホールにアウスレッドが仁王立ちしていた。

「う~ん、ごめんなさい」

「何がごめんなさいだ。どこに行っていたん
だ。こんな夜中に子供を放っておいて」

「子供達は乳母に頼んでおいたから大丈夫よ
とにかく中に入れてもらえないかな。きちん
と話すから大切な話なの」

アウスレッドは不機嫌なままリビングのソフ
ァーに座って。

「それで、どういう事だ」

と低く刺々しい声で言った。これは完全にか
なりお冠だとユミアは深呼吸して話し出し
た。

「実はね。サテラン伯爵の所に忍び込んで
きたの」

「はあ~、何だってどこに何をして
きたって?もう一度言ってみて」

「だからサテラン伯爵の屋敷に忍び込んで
違法薬物の栽培場所を書いてある書類を
探しに行ったの。違法薬物って麻薬の事
なのね。栽培場所も、栽培方法も作って
いる所も全部わかったわよ。他にも驚く
事が色々と」