僕の愛しい泥棒娘

ランプを手に階段を下りていくと降りきった
所から右手に廊下が続いている。

先の方に明かりが見えたのでランプは消して
廊下を進んだ。

何か青臭い少し甘い匂いがしてきたので、ス
カーフで口元を覆った。その匂いを嗅ぐと気
持ち悪くなってきたからだ。

用心ぶかく明かりの漏れる部屋の方に行くと
廊下の先にドアがついていて、小さなガラス
が2カ所丁度目の高さ位にはめ込まれていた

その先は広い空間になっていて沢山の男女が
タバコの様な物を吸っていた。

青臭い甘い匂いはこれだろうと思ったが、目
の前の光景が信じられなかった。

あちこちで半裸の男女が絡み合っていて、あ
られもない声を上げている。

奥には小部屋もあるようだ。白い粉を吸って
恍惚となっている人もいた。ここは、違法薬
物を隠れて楽しむ場所なのだ。

違法薬物とは、麻薬らしい。ユミアもそんな
物があると聞いたことがあった。

感覚を高めて男女の行為を楽しむものらしい

アウスレッドからは違法薬物としか聞いてい
なかったのでまさかこんなものだとは思わな
かった。

反対側にも階段があってそこからまた人が入
って来て、男から葉巻のように巻いた物を受
け取ってお金を渡している。

きっと裏門に警護の物が立っていたのは、こ
こへの入り口だからなのだろう。

裏口に3人もの警護はおかしいと思っていた
のだ。