僕の愛しい泥棒娘

それがユミアのやり方なのだ。しっかりと情
報を取って、家の間取りも把握して侵入する

最初にまず書斎に入りその貴族の領地の経営
の状態を把握して、この貴族から盗むかどう
かを判断するのだ。

不正で貯めたお金なので、泥棒に入られた事
を騎士団に訴えられないので、問題になる事
はないが、その後の警備がとても強化される
ので、危ない橋は渡らない。

そんな風にしてお店と夜の仕事の両立を図っ
てきた。

今はサリーヌとお店の休みの時に二人で行く
カフェや店に来る貴族の家で働く使用人から
情報を得ている。

サリーヌのコミュ力はすごい。これと思った
使用人から何気なく情報を搾り取るのだが、
相手はしゃべらされていることに気付きもし
ない。

店をオープンして２年ユミアは次の目標に向
けて、サリーヌと共に楽しく店を切り盛りし
ながら充実した日々を過ごしている。

でも、そろそろ泥棒家業はやめる潮時だとも
思っている。

お店は繁盛しているのでそれなりに利益は出
ている。

今日行ったワイナリー公爵家も最後だと思っ
ていたので、足の付かないような宝石類５点
と書斎の隠し金庫の中にあった現金のお札の
み全部頂いてきた。

明日公爵夫妻が帰ってきたらさぞや大騒ぎに
なるだろう。

ちょっと愉快になっていい気分でユミアはベ
ッドに入った。