僕の愛しい泥棒娘

驚いたことにはっぱを乾燥させてタバコの様
に吸うものと、花から抽出して粉状にして使
うものの2種類あるのだ。

この伯爵邸の温室にも栽培しているらしく温
室の奥にある小屋で実験もしているようだ。

全く馬鹿にしている堂々と王都の自宅で栽培
して実験しているとは恐れ入る。

その時廊下から鍵を開ける音がした。ユミア
は素早く隣の図書室の方に移動した。中から
行けるようになっていたのだ。

護衛の騎士がさっと中を見てまた鍵を閉めて
出て行ったようだ。図書室の方は見もしなか
った。

ユミアは図書室を見まわしたが、違和感を感
じた。本を読む椅子も机もない。

ただ壁際に3方棚があって何の関係性もない
本が無造作に突っ込んである。

右側の棚の中央に暖炉の上に、あったような
彫像が置いてありその横に手持ち用のランプ
があった。

ユミアはその彫像を動かしてみた。すると本
棚の一部がするすると動いた。ドアになって
いるようだ。

そこから下に階段が続いている。ここは1階
なので地下に部屋があるようだ。

少しの間躊躇したがユミアはその階段を下り
てみることにした。

中に入るとさすがに暗いのでランプがいる。
ドアも中に取っ手があって閉めるようになっ
ていた。