僕の愛しい泥棒娘

サテラン伯爵も違法薬物の件で目を付けられ
ているのを察したらしく、屋敷の護衛も増え
夜会などの表立ったパーテイも控えていて、
時々午後に茶会が開かれるくらいなのだとい
う事だ

つまり宰相のチームも行き詰まっているらし
い。せめて栽培場所が分かればそこから後を
たどれるので、今は人海戦術で多人数を投入
してサテラン伯爵の領地などを中心に探して
いるらしいが、なかなか見つけられないと言
う事だ。

アウスレッドはユミアを見つけることを優先
にしたいと言って外れていると言う。

大体宰相が令嬢に近づいて情報を取れと言っ
たので責任を感じているらしい。

ユミアを探す時間をくれないなら補佐官は辞
めると言ったら、しぶしぶ了承してくれたと
言ってアウスレッドは笑っていた。

“明日家に帰って来てくれるよね“と何度も何
度も念を押されたユミアは、これから二度と
隠し事はしないと約束させて、帰る事を了承
したのだった。

ユミアがなにが一番腹立たしかったのかそれ
をきちんと理解してほしかったのだ。

こうして話せば何でもない事なのに相手への
信頼を無くす事になってしまうという不測の
事態に陥ってしまったのは、会話が全然足り
なかったのだ。

アウスレッドはしっかり反省したようなので
ユミアは今回はおとなしく帰る事にした。