僕の愛しい泥棒娘

“アライアス、ユリアンナ”と言って絶句した
アウスレッドはなみだを流して二人を腕の中
に抱き留めた。

乳母も思わずもらい泣きしている。

アウスレッド様の食事の用意をしてくると言
って下に降りて行った。気を利かせてくれた
のだろう。

子供達は父親と分かるのだろうか、すっかり
目が覚めてキャッキャッと大喜びしている。

昼から何も食べていないと言うアウスレッド
に、夕飯の残り物で悪いが食事をしてもらう
事にした。

「母上はユミアの料理を久しぶりに食べて美
味しかったと意地悪を言うんだよ。僕がもう
何日もまともに食事をしていないのを知って
るくせに」

「レッド、痩せたわね。食事したら湯あみし
てさっぱりしてから話をしましょう」

「うん、わかった。ユミアの料理？」

そうだと言うと、それは嬉しそうにわんこが
しっぽを振りまくっているように、にこにこ
している。

そして乳母が子供達を寝かしつける為に、2
階にいってくれた。1階にはキッチンとダイ
ニングに小さいがリビングもある。

ここでいつもお客様とは話をしている。あと
3部屋あって侍従と料理人の部屋が1階にある

ミアレーヌ様はユミア達に気付かれない様に
近くに護衛も配置してくださっていたようだ

アウスレッドは、まずユミアにずっと黙って
いた事を謝った。ユミアは双子を生んだばか
りで、これ以上心痛をかけるのを躊躇ってし
まった事と1週間怪我で王宮にいた間に噂が
酷い事になっていたのだと言った。