僕の愛しい泥棒娘

「ミアレーヌ様は最初からここを知っていら
したんですか?」

「ええ、ユミアが私に話を聞きに来た時にユ
ミアはきっとすぐに出ていくだろうなあと思
ったの。私でもそうするもの。だから護衛に
言って3台の馬車の内1台の馬車の後を付けさ
せたのよ」

「そうなんですか。それで今まで待っていて
下さったんですね」

「ユミアにも心の準備が必要でしょう?少し
落ち着いたほうがいいと思ったの。感情に任
せて話し合いは出来ないもの。もうそろそろ
いいかなあと思って今日来たの子供達にも会
いたくて」

「すみません。アウスレッド様に明日何時で
もいいのでここに来て下さるようにお伝え頂
けますか?」

「もちろんよ」

その日久しぶりだからと言ってユミアの作る
夕食を食べて行ってもらったのだが、ミアレ
ーヌ様は美味しいと言って嬉しそうに食べて
下さって子供達とたくさん遊んで帰って行か
れた。

ここに来てからは侍従も乳母も料理人も皆で
一緒にご飯を食べているのだ。そのほうが効
率的だからだ。

ミアレーヌ様が一緒だと言うので皆遠慮した
がミアレーヌ様は気にしないから皆で食べま
しょうと言って下さって、子供達を代わる代
わる抱きながら楽しく食事をしたのだった。