まさかこんな理由でそこを使う事になるとは
思わなかったが…準備しておいて良かった。
一緒に行ってもらうのは乳母と料理人と侍従
の三人だけだ。
侍従は主にユミアのアズナール商会の補佐の
ような仕事もしてもらっていたので、彼をお
いていく事は出来ない。
侍従にはアズナール商会の大事な書類などを
全て持っていけるように準備してもらった。
そして3台の馬車は皆違う道を通って隠家に
向かってもらった。3台が連なっていけば
人目につく。
侍従は単騎で馬に乗り馬車を1台引き連れて
一番最初に出発した。その馬車には書類が山
と積まれていた。
侍従は商会との連絡等に行ってもらわなけれ
ばならないので、馬が必要だった。
次に料理人の馬車が洋服や必要な物を積ん
で出発した。
彼は御者台の横に座り大切そうにレシピを胸
に抱え不安な顔でユミアを見た。
「ごめんねトミア、不安なら残ってもいいの
よ。料理人はまた探すことにするわ。レシピ
はあなたの物よ。心配しないで」
「いいえ、僕はユミア様についていきます」
そう言ってくれて残った食材も調味料も持っ
て来たので馬車の中でそれがひっくり返って
大事な洋服を汚さないか心配していたようだ
“そんな事心配しなくてもいいのよ”と言って
ユミアは今日初めて声を出して笑った。
もう一つの馬車にはユミアと子供達と乳母が
乗り込んだ。
馬車が公爵邸の角を曲がる時、単騎で駆けて
くるアウスレッドが、遠くに見えた。
良かった。まさに危機一髪と言う感じだ。
きっとお義母様が王宮につかいをやったに違
いない。
アウスレッドも、もしユミアの耳に入ったら
こうなることは分かっていただろうに、それ
を放っておいたのはこうなることを期待して
いたのかもと思ってしまう。
全くアウスレッドを信用できなくなっている
自分に驚いてしまうユミアだ。
たった一つの過ちが家族を壊してしまうの
だ。恐ろしい。
思わなかったが…準備しておいて良かった。
一緒に行ってもらうのは乳母と料理人と侍従
の三人だけだ。
侍従は主にユミアのアズナール商会の補佐の
ような仕事もしてもらっていたので、彼をお
いていく事は出来ない。
侍従にはアズナール商会の大事な書類などを
全て持っていけるように準備してもらった。
そして3台の馬車は皆違う道を通って隠家に
向かってもらった。3台が連なっていけば
人目につく。
侍従は単騎で馬に乗り馬車を1台引き連れて
一番最初に出発した。その馬車には書類が山
と積まれていた。
侍従は商会との連絡等に行ってもらわなけれ
ばならないので、馬が必要だった。
次に料理人の馬車が洋服や必要な物を積ん
で出発した。
彼は御者台の横に座り大切そうにレシピを胸
に抱え不安な顔でユミアを見た。
「ごめんねトミア、不安なら残ってもいいの
よ。料理人はまた探すことにするわ。レシピ
はあなたの物よ。心配しないで」
「いいえ、僕はユミア様についていきます」
そう言ってくれて残った食材も調味料も持っ
て来たので馬車の中でそれがひっくり返って
大事な洋服を汚さないか心配していたようだ
“そんな事心配しなくてもいいのよ”と言って
ユミアは今日初めて声を出して笑った。
もう一つの馬車にはユミアと子供達と乳母が
乗り込んだ。
馬車が公爵邸の角を曲がる時、単騎で駆けて
くるアウスレッドが、遠くに見えた。
良かった。まさに危機一髪と言う感じだ。
きっとお義母様が王宮につかいをやったに違
いない。
アウスレッドも、もしユミアの耳に入ったら
こうなることは分かっていただろうに、それ
を放っておいたのはこうなることを期待して
いたのかもと思ってしまう。
全くアウスレッドを信用できなくなっている
自分に驚いてしまうユミアだ。
たった一つの過ちが家族を壊してしまうの
だ。恐ろしい。



