僕の愛しい泥棒娘

「お義母様もう1ケ月以上も経ってるそうで
すよね。その間何も知らない自分が恥ずかし
いし何も言ってくれなかったレッドも、もう
信用できないんです。とにかく離れてよく考
えます。レッドと同じ家に居る事に絶えられ
そうにありません」

そう言うとユミアは何か言いたそうな義母を
振り切って家に帰って来て、すぐにサリーヌ
に手紙を届けてもらう様侍従に馬を走らせた

そして乳母や侍女や小間使いに、荷物を詰め
てもらった。乳母は何が何かわからず言われ
るように準備してくれた。

乳母には簡単に訳を話してできればついてき
てほしいと頼んだ。

双子の事をよく知っている乳母に居てもらえ
るとユミアも助かるからだ。乳母も噂につい
ては知っていたらしく公爵家の使用人から聞
いたそうだ。

知らなかったのは本当にユミアだけだったの
だと、自分の馬鹿さ加減に腹が立った。

侍従に帰りに馬車3台を借りてきてもらった

爵家や家の馬車を使うつもりはなかった。

場所がばれるのが嫌だったのだ。

サリーヌには隠家が居る事になったので、用
意してほしいと言ったのだ。それだけで彼女
には通じるのだ。

使いに行ってもらった侍従が、サリーヌから
の返事を持って帰ってきた。

“3時には用意万端整える“そう書いてあった

今はまだ昼前だ。皆とお昼をゆっくり食べて
出て行こう。隠家は王都から馬車で2時間
程かかる。

何かあった時に隣国に逃げる前に身を隠す場
所として一応用意してあったのだ。