僕の愛しい泥棒娘

ユミアは学校には行っていないが読み書きや
計算は前世の影響かほとんど知っていると言
う状況で後は図書館で本を読んで学んだ。

今では簿記も理解しているので、簡単な帳面
など付けられるし見てその辻褄が合わないの
も見抜けるのだ。

お店に置く商品はかなり前から孤児院の子供
たちの副業としてできることをやってもらっ
ている。

縫い仕事としてはハンカチ、巾着、布バック
エプロンを作って貰っている。

それに大小の黒猫の座り姿を黒い布で作った
物に”シャウルー”と刺繍を入れている。

それを縫い付けて”シャウルー”のオリジナル
にしていくつもりなのだ。

布地は貴族の奥様のドレス部屋の片隅に、忘
れ去られているドレスを頂いてくるのだ。

それを解体してデザイン画と共に孤児院に持
っていくとサリーヌが、采配して皆に振り分
けたり出来上がりもチェックしてくれていた

売り物になる物だけユミアが製作費を払って
引き取るのだ。

サリーヌが孤児院を出てからも、孤児院での
制作の差配は任せていくつもりだ。

ドレスはなるべく無地の物やレースが惜しげ
もなく使われているドレスを選んでいる。

レースはアクセントに小物につけたり、レー
スだけでバックにしたりと利用価値が高い。

布地はしっかりとした高品質の物なので、出
来上がりも高級感がある。

それを庶民価格で売るので“シャウルー”では
人気商品の一つになっている。