僕の愛しい泥棒娘

「頼むよ、兄さん何とかしてくれよ。
アウスレッドが隣国に言ったら恐ろしいよ」

「なんださっきは、女にうつつを抜かす父子
とまで言ったくせに、うちのメアリーヌを
怒らせると怖いのを知っているだろう。
まず、王女がユミアに謝ることからだな」

「分かった」

「お前がまず謝れ。先ほどの言葉は本当に失
礼だぞ。母上が聞いたらがっかりするだろう
リーヌのいう事はいちいち尤もだ。第二王女
として恥ずべきことだ」

「はい、申し訳ありません」

「ユミアにちゃんと謝ってください。でない
とダミアサール家は王家と今後一切のお付き
合いはお断りします」

とメアリーヌ様は畳み掛けた。

「ユミアさんごめんなさい。失礼な言い方を
してしまいました」

不承不承ながらも第二王女は謝ってくれた。

「分かりました。そんな事で平民の孤児は
いちいち気にしませんよ」

ちょっと嫌味も加えつつさらっと返す。

「レッド、本当にユミアさんと結婚なさるの
ですか?それで後悔はされませんか?」

かなりしつこい第二王女の発言にうんざりと
不機嫌もあらわにアウスレッドは

「もちろん。何を後悔するとおっしゃってい
るのかも、わかりませんが、ユミアの様な素
晴らしい女性と結婚できるのは、このアウス
レッド・ダミアサールの一生の誉です」

第二王女の方をチラッと見ただけで、そう言
い放った。