僕の愛しい泥棒娘

この言い様にはダミアサール家一同が、唖然
とした。皆抗議の言葉を発しかけたがミアリ
ーヌ様が一番早かった。

「ちょっとお偉い第二王女様、何が平民のく
せによ。ユミアはね、孤児院を見事に独立採
算で運営できるように導いてきたのよ。それ
に貧困層にも手を差し伸べて、仕事が出来る
ように教えているし、家の無い人には工房に
住み込みで働けるようにしたり、この歳で自
分の店をもってるし、特許だって沢山持って
るわ。今財務部で使われているそろばんを発
明したのもユミアよ。本当は国や貴族がしな
ければいけない事じゃない。それを平民のく
せにユミアがやってくれてるの。それを知っ
てそんな大口叩いてるの?あなたを生まれた
時から知っているのよ。そんな傲慢な考え方
しかできないなんて、あなたの育て方間違え
たのね。アンもバンも情けない。今のあなた
は何ができるの?孤児院に慰問に行った事が
あるの?バザーに協力した事は?災害の時に
炊き出しに行ったことは?王宮に居てぬくぬ
く着飾っているだけの王女に、うちの嫁のユ
ミアの事そんな風に言われる筋合いはない
わよ」

「母上、それ以上言うと不敬罪に問われます
よ」

「あら、不敬罪に問いなさいよ。そしたら公
爵なんか返上してダミアサール家一家で隣国
に移住しますよ。そしてユミアの始めるお店
で働くわ」

「それいいね、そうしたらこんな面倒な事に
ならなくていいし、僕も商会立ち上げられる
し、隣国からこのエクスポリア国の経済を乗
っ取りますよ」