「難しい事を聞くわね。そうねこの社会には
建前があって身分の差もあるわね。でもね、
本人たちが努力して愛という力で乗り越えて
いければ、その垣根は取りされるはずだと思
うわ。出来ない。してはだめだと自分の廻り
に塀を巡らせていれば、いつまでたってもそ
の垣根を乗り越えてはいけないわね。垣根が
高くても、思い切って飛んでみたら、案外違
う世界が見られるかも知れないわね」
そう言って院長先生は優しく微笑んでユミア
を部屋に案内してくれた。
そうか、私は自分の周りに出来ない、しては
だめだと言う壁を作っていたのだろうか。現
実ならどんな高い壁も飛び降りる自信はある
が、常識の壁、貴族として平民としての部を
弁えろと言われれば、抵抗ができないのだ。
第二王女の言葉はユミアの一番痛い所を、突
いてきたのだ。
明日、アウスレッドと話し合ってこよう。
逃げてばかりのユミアをまだ許してくれるな
らだけれど…
そうして湯あみを済ませて何とか眠りについ
たユリアだった。
次の日ユリアは、孤児院のラベンダー畑の美
しい紫に癒された。
夢中で過ごしていたが、もう初夏なのだラベ
ンダーの収穫も近い。
まだあまり匂いは強くないが、ほのかに香る
控えめな香りを胸一杯に吸い込んで、アウス
レッドに会いに行こうと決心した。
その後“シャウルー“に朝早く行って驚いた。
アウスレッドが店の前で座っていたのだ。
胡坐をかいて壁に凭れて俯いて寝ているようだ。
「レッド、こんなところで何してるの。風邪を
ひくわよ」
「うん、ユミア!どこに行っていたんだ。
何時まで経っても帰ってこないから心配してい
たんだ。もう朝なのか?どこに泊ってきたんだ
?その服を着ているという事は孤児院か?そう
かそこがあったな。しまった。そこまで頭が回
らなかった」
そう言うとがっくりと、胡坐をかいたまま道に
倒れ込んだ。
建前があって身分の差もあるわね。でもね、
本人たちが努力して愛という力で乗り越えて
いければ、その垣根は取りされるはずだと思
うわ。出来ない。してはだめだと自分の廻り
に塀を巡らせていれば、いつまでたってもそ
の垣根を乗り越えてはいけないわね。垣根が
高くても、思い切って飛んでみたら、案外違
う世界が見られるかも知れないわね」
そう言って院長先生は優しく微笑んでユミア
を部屋に案内してくれた。
そうか、私は自分の周りに出来ない、しては
だめだと言う壁を作っていたのだろうか。現
実ならどんな高い壁も飛び降りる自信はある
が、常識の壁、貴族として平民としての部を
弁えろと言われれば、抵抗ができないのだ。
第二王女の言葉はユミアの一番痛い所を、突
いてきたのだ。
明日、アウスレッドと話し合ってこよう。
逃げてばかりのユミアをまだ許してくれるな
らだけれど…
そうして湯あみを済ませて何とか眠りについ
たユリアだった。
次の日ユリアは、孤児院のラベンダー畑の美
しい紫に癒された。
夢中で過ごしていたが、もう初夏なのだラベ
ンダーの収穫も近い。
まだあまり匂いは強くないが、ほのかに香る
控えめな香りを胸一杯に吸い込んで、アウス
レッドに会いに行こうと決心した。
その後“シャウルー“に朝早く行って驚いた。
アウスレッドが店の前で座っていたのだ。
胡坐をかいて壁に凭れて俯いて寝ているようだ。
「レッド、こんなところで何してるの。風邪を
ひくわよ」
「うん、ユミア!どこに行っていたんだ。
何時まで経っても帰ってこないから心配してい
たんだ。もう朝なのか?どこに泊ってきたんだ
?その服を着ているという事は孤児院か?そう
かそこがあったな。しまった。そこまで頭が回
らなかった」
そう言うとがっくりと、胡坐をかいたまま道に
倒れ込んだ。



