僕の愛しい泥棒娘

全ての試合が終わりエクスポリア国の騎士に
は、褒賞として優勝のメダルと金一封と3日
間の休暇が与えられた。

そんな賑わいを後にしてユミアは侍女と化粧
室に向かった。

所用を済ませ外に出ると、金色の髪を輝かせ
たとても綺麗で上品な女性がユミアを待ち構
えていた。

「あなたがアウスレッドが夢中になっている
と言う平民の娘ね。名前は何というか興味は
ないけれど、今私とアウスレッドの婚姻が勧
められているのはご存じかしら?貴族の結婚
はその家名にとってまた国にとって最も益に
なる人と結婚するのが貴族として王族として
の義務なのです。貴族として多くの物を与え
られているのです。領民の税金もしかり色々
な権利も得もあるわ。今日あなたがいたダミ
アサール家の特別席もそうね。自分の一時の
感情で国の益を損なう事は出来ません。なの
にアウスレッド程の男が公爵家の籍を離れて
まで、平民になってあなたと結婚するなんて
馬鹿馬鹿しいにも程があるわ。私は認めませ
ん。アウスレッドは私の夫となって未来の宰
相となってこの国を平和に導く勤めがあるの
です。あなたも頭が空っぽの娘ではないでし
ょう。この国の為にどうするべきかよく考え
なさい。あなたの事ではなくてよ。エクスポ
リア国の将来の事よ。アウスレッドはこの国
を正しく導くことができるすべてを持ってい
るのです。それをあなたのような平民に惑わ
されて国を捨てるようなことをさせないで、
しっかり、考えてみなさい。自分がどうする
べきかわかるでしょう」