僕の愛しい泥棒娘

アウスレッドはユミアを“シャウルー“の裏の
家まで送って行ってサリーヌに、ユミアは僕
と結婚するのでしばらくユミアをお願いする
と、そして2~3日したら公爵家が迎えに来
るはずだからそれ迄おとなしくしているよう
にとユミアに言い置いて、王宮に向かった。

ユミアはアウスレッドの言い様にぷんぷんし
てサリーヌに

「ねえ、聞いたレッドってすごい亭主関白だ
と思わない。私はまだ結婚だってOKした訳
じゃないのに…」

「まあ、仕方ないわね。この国一番の洞察力
と知力があると言われている筆頭補佐官様な
んだから、ユミアが逃げ切れる訳ないよ」

「隣国に着く前に捕まったでしょう?」

「えっ、何で知ってんの?」

「そんな事位わかるわよ。ユミアって頭良い
くせにどっか抜けてるんだから、行動が見え
見えよ」

「そうなの。とにかくサリーヌ、私ね隣国で
貴族相手のお店を出すことにしたの。
こっちで“シャウルー“の2号店出そうと思っ
ていたけど隣国のセオドア国の王都に出す事
にしたわ」

「ふ~ん、そういう事ね。じゃあ、しばらく
はあっちとこっち行ったり来たりになるね」

「そうね。だからこっちの“シャウルー“は、
サリーヌに任せるのは変わらないからよろし
くね。仕入れからすべてやってもらわないと
いけないので大変だけど、サリーヌなら上手
くやれるわ」

「うん、任せて、ユミアは新しい店の準備や
その店に置く新しい物を考えなくっちゃね」