僕の愛しい泥棒娘

そう思っていたが宰相から侍従を通して接触
があったようだ。

エクスポリアの西側を接するバンダイナム国
がどうもきな臭くなってきたようだ。

両国の間には高い山があってその山には鉄鉱
石や石炭が取れる鉱山がある。

鉱山は全てエクスポリア王国に面しているの
で何も問題なく今までは友好的な関係を維持
していたのだ。

エクスポリア国は山では鉱山があり。平地の
土壌はよく、作物もよく育つ。

食糧の自給率は近隣国でも一番いいので、あ
まり輸入に頼ってはいないが、輸出品に特産
物があるわけではない。

農産物の輸出をもっと増やしたいと言うのが
国の思惑らしいが、今一つ突出した物がない
というのが現状のようだ。

やはり一番強いのは鉱山から取れる鉄鉱石や
石炭のようだ。

バンダイナム国では半年前に国王が第一王
子に王座を譲ったのだが新国王が鉱山の権
利は自国にもあるはずだとい出したのだ。

アウスレッドは国王の交代の時に宰相に新国
王は好戦的で独断的なので、バンダイナム国
に間諜を忍ばせておいた方が良いと進言した
のだが、宰相はそこまで神経質になる必要は
ないと言って間諜を手配しなかった。

そこでアウスレッドはダミアサール家の間諜
二人をバンダイナム王家の側近の侍従として
もう一人は騎士団に入るように言い付けて置
いていたのだ。

多分その間諜からの知らせだったのだろう。
宰相は大慌てでダミアサール家に連絡を入れ
てアウスレッドを呼び出したのだが、ダミア
サール家ではアウスレッドの居所は分からず
アウスレッドはダミアサール家から籍も抜い
たと知らされた宰相と国王は大慌てで父親で
ある公爵に泣きついたのだ。