僕の愛しい泥棒娘

前世のユミアは日本人でアメリカのサーカス
団員だった。身が軽くジャンプ力も優れてい
た。

そして手先も器用で趣味でビーズのアクセサ
リーを作って同じサーカスの女性団員にプレ
ゼントしていたのだ。

そんなことを思い出して、両親の死のショッ
クよりも前世の記憶を思い出した方がショッ
クだった。

そのせいでユミアは5歳にしては大人びてい
てその時一緒に引き取られた小さな子供達の
面倒をよく見た。

５歳のユミアの中には十分大人の知識も経験
もあるもう一人の人間がいたのだから…

でも、その前世の記憶や経験がユミアを助け
てくれた。

ユミアは８歳の時院長先生に頼んで孤児院の
庭の片隅に畑を作ってもらった。そしてそこ
でジャガイモを育てた。

採れたジャガイモをフライドポテトにしたり
ジャガイモでガレットを作ったり、マッシュ
ポテトにしたりして孤児院の皆を喜ばせた。

ジャガイモは孤児院の食料事情をかなり改善
することができた。

その時に引き取られた子供たちの中に２歳下
のサリーヌという女の子がいた

サリーヌは、本当の妹のようにかわいかった

いつもユミアの後をちょこちょこついて歩い
て、大きな目でユミアの姿を追うのが可愛く
て、ブラウンの濃い髪の毛をいつも整えてや
るのはユミアの楽しみだった。