「あの女子たちと男たちは、学校にも連絡が行ってしばらくの間謹慎らしい。もしかしたら退学することになるかもって」

「…そう」


別にそんなことはどうだっていい。

物語にないはずのことが起きて一時はどうなることかと思ったけど、無事終わっただけでも一安心だ。


「…えっと、まだ何か？」


もう一通り知りたいことは聞けたし、宙だってもう用はないはずなのに、なぜかじっとその場から離れようとせずに私を真っ直ぐに見つめてくる。


「…悪かった。最近の光莉の様子がおかしいことに気づいていたから、もしかしたらおまえが手を出しているんじゃないかと疑った。それに病み上がりも本当だったのに、嘘だと決めつけたこと…いや、それだけじゃなくて今までのおまえに対する態度も全部、悪かった」


ぺこりと頭を下げられ、サラサラの黒髪が目の前に突き出された。

私はそれをポカーンと間抜けな顔で眺める。

…えっと、何が起きてるの？


「え、いや、あの、私も日頃の行いが招いた結果というか、あんたがそう思うのは自然のことだから。それに私が悪女なのは変わらないし…」

「おまえは悪女なんかじゃない」