「この人たちが、お兄ちゃんに紹介しないからって理由で私を拉致して…男の人たちに犯させようとしたの。実は前から、しつこく絡んできて嫌がらせもされてた。お兄ちゃんは私のことをすごく大切にしてくれてるから、心配かけたくなくて言わなかった。きっと今お兄ちゃんが来なかったら、ずっとこのことも言わなかったと思う」
「…っ」
今にも殺しに行きそうな勢いで睨んでいる氷王子に、この場にいる誰もが恐れたように凍りついていた。
そんな氷王子の手に光莉がそっと触れる。
「でもね、宝槻さんが助けてくれたの。私のせいで何の関係もないのにここまで連れてこられて、怖いはずなのに私を庇ってくれた。お兄ちゃんに心配をかけたくないっていう私の気持ちに寄り添ってくれたの。そのおかげで気づいたんだ。心配かけたくないけど、お兄ちゃんが後からこのことを知った方がきっと傷つくだろうなって。もっと苦しめてしまうなって思った」
「宝槻が…?」
そこでやっと宙は私の存在に気づいたのか、驚いたように振り向いてきた。
どんだけ光莉しか見えてないんだと呆れながら、ふぅと小さくため息をつく。
「別に、私は大したことしてないです。それにわかってたし。あんたならきっと来るだろうって」
「…え?」
私のヒーローはいないけど、光莉を守ってくれる騎士はいるから。
「だってあんたは、夏目さんを大切に想ってるでしょ?妹が危険な目に遭いそうになってるんだから、必ず助けに来ると思ったの」
「…っ」
今にも殺しに行きそうな勢いで睨んでいる氷王子に、この場にいる誰もが恐れたように凍りついていた。
そんな氷王子の手に光莉がそっと触れる。
「でもね、宝槻さんが助けてくれたの。私のせいで何の関係もないのにここまで連れてこられて、怖いはずなのに私を庇ってくれた。お兄ちゃんに心配をかけたくないっていう私の気持ちに寄り添ってくれたの。そのおかげで気づいたんだ。心配かけたくないけど、お兄ちゃんが後からこのことを知った方がきっと傷つくだろうなって。もっと苦しめてしまうなって思った」
「宝槻が…?」
そこでやっと宙は私の存在に気づいたのか、驚いたように振り向いてきた。
どんだけ光莉しか見えてないんだと呆れながら、ふぅと小さくため息をつく。
「別に、私は大したことしてないです。それにわかってたし。あんたならきっと来るだろうって」
「…え?」
私のヒーローはいないけど、光莉を守ってくれる騎士はいるから。
「だってあんたは、夏目さんを大切に想ってるでしょ?妹が危険な目に遭いそうになってるんだから、必ず助けに来ると思ったの」

