悪女の私がヒロインみたいに溺愛されてます!

私はヒロインじゃないから。

すぐに助けに来てくれるヒーローなんて現れない。

…だから、なんだって言うの。

ヒロインじゃないなら、自分で自分を守ればいい。

目の前の人を助けることくらい、私にだってできるんだから!


「この…」


再び男たちが私たちに向かって手を伸ばしてきたところで、突然倉庫の扉が蹴り飛ばされ中に光が差し込んできた。


「光莉!」


中に入ってきたのは、氷の王子と言われているくせにいつものポーカーフェイスではなくひどく焦った様子の宙だった。


「…っ、誰がおまえにそんなことをしたんだ?」


宙は私のことなんて見えてもないのか、光莉の乱れた姿に目の色を変えると、さっと男たちを一瞥した。


「俺の妹に手を出そうとしたのは、おまえたちか?」

「そ、宙先輩…」


急な宙の登場に、女子三人組は顔色を青くしていた。