悪女の私がヒロインみたいに溺愛されてます!

抵抗をするものの、力強い男に光莉と共に引っ張られていき開けた場所に連れて行かれる。

やっぱりどこかの廃墟の倉庫なのか、もう使われていない機械が埃をかぶって複数置かれていた。


「どう?今どんな気分?」


女子生徒三人組があらわれ、そのうちの一人が私の口に貼られていたガムテープを剥がしてきた。


「…ここはどこ?」

「ここは誰も来ない穴場スポット。どんなに声を出しても外には絶対に聞こえないよ。あのね、私の友達が女の子に飢えてるんだって」


女子生徒の隣にいる私を殴ってきた男の後ろから、ぞろぞろと六人くらいのチャラそうな男たちが出てきた。


「…何をするつもり?あんた、私が誰かわかってないの?」

「わかってるよー。悪女に逆らったらどうなるかくらい。最初はそこの女だけ痛い目見せて、宙先輩に紹介してもらえるように言うこと聞かせようと思ってたけど、あんたが邪魔してくるんだもん。私たちだって悪女とはなるべく関わりたくないけどさ、ついでにあんたも誰にも言えないようなことされちゃえば私たちの言いなりにできるでしょ?」


にこっと性格悪く笑う女子生徒に、呆れて何も出てこなかった。

乃愛に隠れていただけで、こんな悪女が存在してたなんて。

まだ乃愛が光莉にしていた嫌がらせの方が可愛かった。


「…とんだ悪女じゃん」