父親が有名企業の社長であるお金持ちでなんの不自由もなく暮らしている御曹司。

そのせいで乃愛と似てわがままで傲慢で俺様な性格に育った凛太郎は、お金で買えないものはこの世でないと思っている馬鹿でもある。

しかし恋愛もしたことがなく初恋もまだなピュアな一面を持っていて、たまたま見かけた美羽に一目惚れをするのだ。

恋心を自覚した凛太郎は美羽の心を手に入れようとお金で誘惑するが、美羽は全くなびかずその姿にも凛太郎はさらに惚れ直し溺愛していく。


「あれれ、宝槻乃愛ちゃんがこんなところで一人何してるのー?」

「うひゃ!」


突然上から顔を覗き込まれ、驚いて変な声が出る。

慌てて振り向くと、そこにはニコニコと笑顔を浮かべているこの世界の四人目のヒーロー、天海薫(あまみかおる)がいた。

薫は男子とは思えないほど大きなきゅるきゅるの瞳、ダボっとしたセーターは萌え袖になっていて、思わず守りたくなる可愛いゆるふわ男子。

しかし“みんなの可愛い薫くん”は表の顔。

中学の時は喧嘩が強くてボスのような存在であった薫は、今でもその腕はなまっていなく、ガラの悪いヤンキーに美羽が絡まれていた時に唯一その本性を晒したのだ。

美羽は最初薫のギャップに驚きはしたものの、ありのままの薫を受け止めそんな美羽に薫も特別大切に想っていた。

つまり、怒らせたら一番怖い人だ。


「えっと…」