しかしクールでぶっきらぼうな彼は、人前で滅多に笑うことはなく「氷王子」と呼ばれている。
そんな宙が唯一笑顔を見せる相手、それがツインテールである乃愛の隣のクラスの美少女、夏目光莉。
宙は自分の命よりも大切だと想っているほど、妹の光莉を溺愛している。
そんな宙に乃愛は入学当初から一目惚れをして一途に想い続けているが、乃愛のアプローチも氷王子の宙にはただ鬱陶しく思われているだけだった。
そんな乃愛は妹の光莉を使って宙に近づこうとするが、うまくいかずに光莉をいじめるようになる。
宙に心配をかけたくなくて助けを求めずに黙っていじめられ続けていた光莉を助けたのがヒロインである美羽で、光莉へのいじめを知った宙は二度と乃愛を視界に入れることすらなくなり、妹しか溺愛しなかった氷王子が次第に美羽まで溺愛するようになるのだ。
しかし美羽が転校してきたばかりのこの頃は、まだ乃愛は光莉に近づく前である。
つまり、二人には近づかない方が身のため。
「…ごめんなさい」
パッと顔を背けながら、慌てて涙を拭ってその場を離れる。
とりあえず人気がない場所に行こうと歩き続けていると、中庭が目に入った。
放課後の中庭なら人もあまり来ないだろうと思って中に入って行くと、設置されているバスケゴールに向かって後ろを向いていた男子生徒がちょうどバスケットボールを放ったところだった。
ボールはスパッと心地よい音を立ててネットを揺らす。
ふと人の気配に気づいたのか、後ろを向いてきた彼と目が合う。
そんな宙が唯一笑顔を見せる相手、それがツインテールである乃愛の隣のクラスの美少女、夏目光莉。
宙は自分の命よりも大切だと想っているほど、妹の光莉を溺愛している。
そんな宙に乃愛は入学当初から一目惚れをして一途に想い続けているが、乃愛のアプローチも氷王子の宙にはただ鬱陶しく思われているだけだった。
そんな乃愛は妹の光莉を使って宙に近づこうとするが、うまくいかずに光莉をいじめるようになる。
宙に心配をかけたくなくて助けを求めずに黙っていじめられ続けていた光莉を助けたのがヒロインである美羽で、光莉へのいじめを知った宙は二度と乃愛を視界に入れることすらなくなり、妹しか溺愛しなかった氷王子が次第に美羽まで溺愛するようになるのだ。
しかし美羽が転校してきたばかりのこの頃は、まだ乃愛は光莉に近づく前である。
つまり、二人には近づかない方が身のため。
「…ごめんなさい」
パッと顔を背けながら、慌てて涙を拭ってその場を離れる。
とりあえず人気がない場所に行こうと歩き続けていると、中庭が目に入った。
放課後の中庭なら人もあまり来ないだろうと思って中に入って行くと、設置されているバスケゴールに向かって後ろを向いていた男子生徒がちょうどバスケットボールを放ったところだった。
ボールはスパッと心地よい音を立ててネットを揺らす。
ふと人の気配に気づいたのか、後ろを向いてきた彼と目が合う。

