「朝はヒヤヒヤしたよ。話しかけるな、くらい言うかと思ったら、まさかのよろしくって。一体何企んでるんだろ」
「ねー。まさかこのまま何もしないわけないしね。美羽ちゃんすごくいい子だから、心配」
今までの乃愛の行動を考えると、私が少し動いたところでみんなの印象まですぐに変わるわけない。
そんなのわかってる…。
「ひどい!誰がこんなこと…」
教室に戻ると、クラスメイトたちが美羽の周りを囲んで何やらザワザワと騒いでいた。
「…え」
不思議に思いながらも、鞄を取りに自席に歩いて行くと、美羽の手に握られているビリビリに裂かれた教科書が目に入った。
「それ、どうしたの?」
私は乃愛であることも忘れて、震える手で教科書を握りしめている美羽にそう尋ねていた。
「乃愛ちゃん…。帰る支度してたら、机の中に入れてた教科書がみんなビリビリに裂かれてることに気づいて…」
そこで私は、乃愛が美羽にした最初の嫌がらせが教科書を破くシーンなことを思い出す。
しかし今の乃愛は私で、もちろんそんなことしていないし、それに乃愛が教科書を破くシーンは目の前で堂々とだった。
隣でちやほやされ続けている美羽にキレた乃愛が、「突然やってきた仲間外れのくせに調子に乗るな」と美羽の新品の教科書を目の前でビリビリにして寂しそうに笑うのだ。
「ねー。まさかこのまま何もしないわけないしね。美羽ちゃんすごくいい子だから、心配」
今までの乃愛の行動を考えると、私が少し動いたところでみんなの印象まですぐに変わるわけない。
そんなのわかってる…。
「ひどい!誰がこんなこと…」
教室に戻ると、クラスメイトたちが美羽の周りを囲んで何やらザワザワと騒いでいた。
「…え」
不思議に思いながらも、鞄を取りに自席に歩いて行くと、美羽の手に握られているビリビリに裂かれた教科書が目に入った。
「それ、どうしたの?」
私は乃愛であることも忘れて、震える手で教科書を握りしめている美羽にそう尋ねていた。
「乃愛ちゃん…。帰る支度してたら、机の中に入れてた教科書がみんなビリビリに裂かれてることに気づいて…」
そこで私は、乃愛が美羽にした最初の嫌がらせが教科書を破くシーンなことを思い出す。
しかし今の乃愛は私で、もちろんそんなことしていないし、それに乃愛が教科書を破くシーンは目の前で堂々とだった。
隣でちやほやされ続けている美羽にキレた乃愛が、「突然やってきた仲間外れのくせに調子に乗るな」と美羽の新品の教科書を目の前でビリビリにして寂しそうに笑うのだ。

