葉月が、転校してきて一週間、すっかりクラスの人気者になっていた。 容姿も良くてスポーツ万能な彼は、男女問わず、クラスの皆が認められていた。 なのに、葉月君はいつも寂しそうな瞳をしている。 私は葉月君の事が、気になっていたけれど聞き出せずにいた。 そんなある日、私は日直の仕事で遅くなった時の事…。 教室を出ると、ピアノの音が聞こえてきて、耳を澄ませた。 (何だか、悲しいメロディーだな…) 私は自然と、ピアノの音がする方へ足を動かした。