教卓の前には、不機嫌そうな顔をした男の子が面倒臭さそうにして立っていた。 ドクン… 急に胸がギュッとなり、苦しくなる。 (何だろう、あの男の子見たら急に胸が…) この頃、私はこれが恋とは思いもしなかった。 まさか、彼に一目惚れするなんて思ってもいなかったから、その事に気づいたのは、もう少し後からの事…。 「葉月 琉珂(ルカ)です。宜しく…」 素っ気なく挨拶をすると先生が私の名前を呼ぶ。