「あぁ、俺達が出会った場所だからな。」 「でも、急にどうして?」 私が疑問を投げ掛けると琉珂は、私の手を握った。 「音楽室、俺達の始まりの場所へ行こう。」 琉珂は、悪戯っぽく笑い私の手を引き走り出す。 音楽室へ息を切らし、辿り着いた。 「もう…走ること…ないでしょ…?」 「ごめん…早く行きたくて…。」 まだ、息切れしながらも琉珂は、ゆっくりとピアノの前に行く。