突如として、ラースが倒れた。
「―――ラース様!」
その事実に、城内は騒然となった。
はじめにラースの不調に気づいたのは、カノンだった。
立ち上がった時に、微かにふらついたラースの体。
「ん、大丈夫。
ちょっと疲れてるのかな」
その時はそう軽く流されるだけだったけれど、それからすぐに頭痛に吐き気……不調は別の形となってラースに現れて。
立つことすらままならなくなった末に、ラースは倒れ込んでしまった。
医者にも、ラースが突然こうなってしまった原因は分からなかった。
苦しむラースの背中からは鳥人の翼が露出し、その羽が抜け落ち始めた。
その症状は、限度量以上の瘴気を浴びた時のそれと酷似していた。
しかし、不可解な点がいくつもあった。
一般的に竜人と鳥人を比べると、力では竜人の方が勝っている。
しかし瘴気の耐性度は、鳥人の方が勝っている。
それにも関わらず、今この城内で瘴気による影響を受けているのはラースただ1人。
王族であるラースは、日頃から瘴気をその身に溜め込むことがないよう徹底されているはずだ。
近隣の瘴気濃度も規定値以内で、特に問題はない。
それなのに何故?
原因は不明、まさに異常事態だった。
「―――ラース様!」
その事実に、城内は騒然となった。
はじめにラースの不調に気づいたのは、カノンだった。
立ち上がった時に、微かにふらついたラースの体。
「ん、大丈夫。
ちょっと疲れてるのかな」
その時はそう軽く流されるだけだったけれど、それからすぐに頭痛に吐き気……不調は別の形となってラースに現れて。
立つことすらままならなくなった末に、ラースは倒れ込んでしまった。
医者にも、ラースが突然こうなってしまった原因は分からなかった。
苦しむラースの背中からは鳥人の翼が露出し、その羽が抜け落ち始めた。
その症状は、限度量以上の瘴気を浴びた時のそれと酷似していた。
しかし、不可解な点がいくつもあった。
一般的に竜人と鳥人を比べると、力では竜人の方が勝っている。
しかし瘴気の耐性度は、鳥人の方が勝っている。
それにも関わらず、今この城内で瘴気による影響を受けているのはラースただ1人。
王族であるラースは、日頃から瘴気をその身に溜め込むことがないよう徹底されているはずだ。
近隣の瘴気濃度も規定値以内で、特に問題はない。
それなのに何故?
原因は不明、まさに異常事態だった。

