あの後ギルバートにしつこく迫って聞き出したところ、カノンとは密やかに逢瀬を重ねる仲らしい。
ギルバートは忙しい合間を縫って、カノンと話すために裏庭へ赴いているようだ。
ギルバートはカノンに惹かれている。
それはラースの目から見たら明らかだった。
この国で1番の存在……竜王となるギルバートであれば、侍女の1人くらい簡単に手に入れられるはずだ。
しかしギルバートは、カノンとの関係を進展させるつもりはないように見えた。
その一番の原因は、やっぱり歌姫だろう。
ルーシーは随分とギルバートに惚れ込んでいるようだが、ギルバートはそれを受け入れていない。
そんな中で、ギルバートがカノンを手元に置けば……ルーシーは間違いなく怒り狂うことだろう。
国の安定のためには、竜王と歌姫の関係が良好であるのにこしたことはない。
でも、とラースは思う。
親友のあんな顔を見たら―――応援したくなっちゃうよね。
そうしてラースは、自分のお世話係の侍女としてカノンを指名した。
それを知ったギルバートからはどういうつもりだと詰め寄られたが、結局はカノンの意思次第ということになった。
そして目論見通りお世話係としてやって来ることになったカノン。
慣れない仕事にも一生懸命で健気だと、侍女たちからの評判も上々だ。
自分の認めた相手しか決して懐に入れないラースだからこそ、相手の本質を見抜くことには長けているつもりだ。
そばに置いてみても、カノンからはルーシーたちのような欲を感じなかった。
むしろカノンの純粋無垢さを実感する結果となった。
なるほど、ギルバートはこれにやられたってわけね。
当のカノンも、少なからずギルバートに好意を持っているように見える。
その証拠にギルバートの幼少期の話なんかをしてやれば、目をキラキラさせながら聞き入っていて。
そんな素直さを微笑ましく思った。
つまるところ、ラースはカノンのことを気に入り始めていた。
だからこそ、ギルバートとカノンの仲を応援したいと言う思いが強くなる。
ギルバートは忙しい合間を縫って、カノンと話すために裏庭へ赴いているようだ。
ギルバートはカノンに惹かれている。
それはラースの目から見たら明らかだった。
この国で1番の存在……竜王となるギルバートであれば、侍女の1人くらい簡単に手に入れられるはずだ。
しかしギルバートは、カノンとの関係を進展させるつもりはないように見えた。
その一番の原因は、やっぱり歌姫だろう。
ルーシーは随分とギルバートに惚れ込んでいるようだが、ギルバートはそれを受け入れていない。
そんな中で、ギルバートがカノンを手元に置けば……ルーシーは間違いなく怒り狂うことだろう。
国の安定のためには、竜王と歌姫の関係が良好であるのにこしたことはない。
でも、とラースは思う。
親友のあんな顔を見たら―――応援したくなっちゃうよね。
そうしてラースは、自分のお世話係の侍女としてカノンを指名した。
それを知ったギルバートからはどういうつもりだと詰め寄られたが、結局はカノンの意思次第ということになった。
そして目論見通りお世話係としてやって来ることになったカノン。
慣れない仕事にも一生懸命で健気だと、侍女たちからの評判も上々だ。
自分の認めた相手しか決して懐に入れないラースだからこそ、相手の本質を見抜くことには長けているつもりだ。
そばに置いてみても、カノンからはルーシーたちのような欲を感じなかった。
むしろカノンの純粋無垢さを実感する結果となった。
なるほど、ギルバートはこれにやられたってわけね。
当のカノンも、少なからずギルバートに好意を持っているように見える。
その証拠にギルバートの幼少期の話なんかをしてやれば、目をキラキラさせながら聞き入っていて。
そんな素直さを微笑ましく思った。
つまるところ、ラースはカノンのことを気に入り始めていた。
だからこそ、ギルバートとカノンの仲を応援したいと言う思いが強くなる。

