しかし、そんな風に時間が経ってもギルバートは戻ってこない。
王子って言ったって、国家力的には所詮、フォーゲルはラシエルの下。
私にふさわしいのは、やっぱりギルバート様なの。
「ねえ、ギルバート様はまだ戻ってこないの?」
ラースのそばに控えていたギルバートの側近に、苛立ち混じりに尋ねるルーシー。
「今しばらくお待ちください」
再び返されたその返事に、ルーシーは声を荒げた。
「さっきからそれしか言えないの?
ねえ、今日の主役は私よ?
それなのにどうしてこんな放っておかれなきゃいけないわけ!?」
「まあまあ、もうすぐ戻りますよ。
それよりこちらはいかがですか?
大切な喉は常に潤わせておかないと」
ラースから差し出されたグラスを受け取って口に運びながらも、ルーシーの苛々は治らなかった。
「ギルバート様を会場にお連れしてくれ。
―――そろそろ歌姫様が限界だ」
そんな様子を見ていたギルバートの側近―――ミドルはため息混じりに騎士へとそう告げるのだった。
王子って言ったって、国家力的には所詮、フォーゲルはラシエルの下。
私にふさわしいのは、やっぱりギルバート様なの。
「ねえ、ギルバート様はまだ戻ってこないの?」
ラースのそばに控えていたギルバートの側近に、苛立ち混じりに尋ねるルーシー。
「今しばらくお待ちください」
再び返されたその返事に、ルーシーは声を荒げた。
「さっきからそれしか言えないの?
ねえ、今日の主役は私よ?
それなのにどうしてこんな放っておかれなきゃいけないわけ!?」
「まあまあ、もうすぐ戻りますよ。
それよりこちらはいかがですか?
大切な喉は常に潤わせておかないと」
ラースから差し出されたグラスを受け取って口に運びながらも、ルーシーの苛々は治らなかった。
「ギルバート様を会場にお連れしてくれ。
―――そろそろ歌姫様が限界だ」
そんな様子を見ていたギルバートの側近―――ミドルはため息混じりに騎士へとそう告げるのだった。

