所用があると言い残して、ギルバートは一時的にルーシーのそばから離れていた。
私は本日の主役なのに。
そんな私を置いていくほどの用があるっていうの?
ギルバートの側近に「いつ戻ってくるのか」と尋ねても、今しばらくお待ちくださいと事務的に返されるだけ。
不満を覚えながら、手に持ったグラスの中身を飲み干した時。
「ルーシー様」
耳に馴染む低音の声に呼びかけられて、ルーシーは振り返る。
ルーシーと目が合うと、にっこりと微笑むその男。
「ラース……様」
その男の名前はラース。
ラースは、鳥人が多く住まう国・フォーゲルの王子だ。
そしてラース自身も鳥人である。
この国・ラシエルとフォーゲルは友好的な関係を築いている。
ラースは国交のためにラシエルに滞在しているのだという。
「そのドレス、よくお似合いですね。
ルーシー様の美しさをより引き出しているようです」
ギルバートに求めていた言葉を、さらりと言ってのけるラース。
少し長めの金色の髪に、甘い微笑み。
ギルバートとタイプは違うが、ラースも十分に美しい顔をしていた。
そんな男に褒められて、悪い気はしない。
そのままラースと会話を交わす。
ラースは女慣れしているのか、会話の中で上手くルーシーを持ち上げて、良い気分にさせることに長けていた。
私は本日の主役なのに。
そんな私を置いていくほどの用があるっていうの?
ギルバートの側近に「いつ戻ってくるのか」と尋ねても、今しばらくお待ちくださいと事務的に返されるだけ。
不満を覚えながら、手に持ったグラスの中身を飲み干した時。
「ルーシー様」
耳に馴染む低音の声に呼びかけられて、ルーシーは振り返る。
ルーシーと目が合うと、にっこりと微笑むその男。
「ラース……様」
その男の名前はラース。
ラースは、鳥人が多く住まう国・フォーゲルの王子だ。
そしてラース自身も鳥人である。
この国・ラシエルとフォーゲルは友好的な関係を築いている。
ラースは国交のためにラシエルに滞在しているのだという。
「そのドレス、よくお似合いですね。
ルーシー様の美しさをより引き出しているようです」
ギルバートに求めていた言葉を、さらりと言ってのけるラース。
少し長めの金色の髪に、甘い微笑み。
ギルバートとタイプは違うが、ラースも十分に美しい顔をしていた。
そんな男に褒められて、悪い気はしない。
そのままラースと会話を交わす。
ラースは女慣れしているのか、会話の中で上手くルーシーを持ち上げて、良い気分にさせることに長けていた。

