その日もいつものように祈りの儀式を終えた後、神官長から大々的に発表があった。
それは次代竜王・ギルバートの即位が目前となったことで、ルーシーが竜王の歌姫の最終候補として、城へ行くことが正式に決定したというもの。
竜人は優れた容姿を持つものが多いというが、その中でも次代竜王ギルバートは飛び抜けて美しい容姿をしているとの噂だ。
そして慣習通りであれば、歌姫は竜王の妻となる。
つまりルーシーは、この国の女として最高の地位を手にすることがほぼ確定したということ。
祭壇に立つルーシーの顔には、抑えきれない狂喜が浮かんでいた。
神官長は続けて言う。城には、ルーシーの従者として人間を3人まで連れて行けると言うこと。
その3人は、ルーシーが好きに選んでいいと言うこと。
自分の前で膝をつく乙女たちを見渡したルーシーは、2人を名指しする。
それは日頃から最もルーシーに従順に従ってきた、取り巻きの2人だった。
例え従者だとしても、人間の身でありながら城に行けるというのは、大変な名誉だ。
選ばれた2人は喜色の声をあげる。
そして残るは最後の1人。
自分が選ばれるはずもないと、カノンは目を伏せたままでいた。
「3人目は……カノン、あなたよ」
―――ルーシーに、その名を呼ばれるまでは。
それは次代竜王・ギルバートの即位が目前となったことで、ルーシーが竜王の歌姫の最終候補として、城へ行くことが正式に決定したというもの。
竜人は優れた容姿を持つものが多いというが、その中でも次代竜王ギルバートは飛び抜けて美しい容姿をしているとの噂だ。
そして慣習通りであれば、歌姫は竜王の妻となる。
つまりルーシーは、この国の女として最高の地位を手にすることがほぼ確定したということ。
祭壇に立つルーシーの顔には、抑えきれない狂喜が浮かんでいた。
神官長は続けて言う。城には、ルーシーの従者として人間を3人まで連れて行けると言うこと。
その3人は、ルーシーが好きに選んでいいと言うこと。
自分の前で膝をつく乙女たちを見渡したルーシーは、2人を名指しする。
それは日頃から最もルーシーに従順に従ってきた、取り巻きの2人だった。
例え従者だとしても、人間の身でありながら城に行けるというのは、大変な名誉だ。
選ばれた2人は喜色の声をあげる。
そして残るは最後の1人。
自分が選ばれるはずもないと、カノンは目を伏せたままでいた。
「3人目は……カノン、あなたよ」
―――ルーシーに、その名を呼ばれるまでは。

