カノンが声を失ったまま年月が経ったある時、神殿内で“竜王の歌姫“の適性を確かめる検査が行われた。
この検査が行われるというのは、王妃でもある今代の“竜王の歌姫“の力が、弱まってきているという証拠。
つまり、竜王の代替わりが近づいているということだ。
検査の内容は、比較的軽度の瘴気に侵された竜人たちの前で歌うこと。
その瘴気を歌声によって、僅かでも浄化することができる乙女がいれば、その者が次代の“竜王の歌姫“候補となる。
その乙女を見つけ出すための検査だった。
結果として、神殿内でルーシーただひとりだけが、その歌声で瘴気を浄化してみせた。
まるで魔法のように、さっぱりと消え失せてしまった瘴気。
こうしてルーシーは歌姫候補に選ばれた。
歌姫候補となったルーシーは、神殿内での確固たる権力と地位を得た。
竜人貴族の養女となり、人間ながら貴族の一員となったことで、神殿内の誰も逆らえない存在に。
神官長でさえ、ルーシーの顔色を伺い、特別扱いするようになった。
未だにルーシーの歌声が変わったことを訝しむものや影口を叩く者たちもいたが、それらは全員罰せられた。
仕置きを受け、ルーシーが満足するまで土下座で謝罪を唱え続けなければならなかった。
そうして1人また1人と、ルーシーの取り巻きが増えていく。
ルーシーはその権力と取り巻きたちを使って、ますますカノンを虐げるようになった。
住む場所を汚い物置へと追いやられ、交代でやるはずの掃除や洗濯の仕事を押し付けられる。そして嘲笑を受ける日々。
更に「自分と同じ色なのが気に入らない」と言い出したルーシーの命によって、
カノンは自らの銀髪を黒く染めて、前髪を長く伸ばして顔を隠すことを強要されることとなった。
染めることを忘れてルーシーの前に出た日には、取り巻きたちに囲まれて折檻を受けた。
味方もおらず、ただ毎日が辛く苦しかった。
それでも、他に行き場もないカノンは、ルーシーからの虐めに耐えるしかなかった。
この検査が行われるというのは、王妃でもある今代の“竜王の歌姫“の力が、弱まってきているという証拠。
つまり、竜王の代替わりが近づいているということだ。
検査の内容は、比較的軽度の瘴気に侵された竜人たちの前で歌うこと。
その瘴気を歌声によって、僅かでも浄化することができる乙女がいれば、その者が次代の“竜王の歌姫“候補となる。
その乙女を見つけ出すための検査だった。
結果として、神殿内でルーシーただひとりだけが、その歌声で瘴気を浄化してみせた。
まるで魔法のように、さっぱりと消え失せてしまった瘴気。
こうしてルーシーは歌姫候補に選ばれた。
歌姫候補となったルーシーは、神殿内での確固たる権力と地位を得た。
竜人貴族の養女となり、人間ながら貴族の一員となったことで、神殿内の誰も逆らえない存在に。
神官長でさえ、ルーシーの顔色を伺い、特別扱いするようになった。
未だにルーシーの歌声が変わったことを訝しむものや影口を叩く者たちもいたが、それらは全員罰せられた。
仕置きを受け、ルーシーが満足するまで土下座で謝罪を唱え続けなければならなかった。
そうして1人また1人と、ルーシーの取り巻きが増えていく。
ルーシーはその権力と取り巻きたちを使って、ますますカノンを虐げるようになった。
住む場所を汚い物置へと追いやられ、交代でやるはずの掃除や洗濯の仕事を押し付けられる。そして嘲笑を受ける日々。
更に「自分と同じ色なのが気に入らない」と言い出したルーシーの命によって、
カノンは自らの銀髪を黒く染めて、前髪を長く伸ばして顔を隠すことを強要されることとなった。
染めることを忘れてルーシーの前に出た日には、取り巻きたちに囲まれて折檻を受けた。
味方もおらず、ただ毎日が辛く苦しかった。
それでも、他に行き場もないカノンは、ルーシーからの虐めに耐えるしかなかった。

